思考は揺らめく道化師の羽

読んだ本と琴線に触れた音楽を綴る場所。かつて少年だった小鳥にサイネリアとネリネの花束を。

自分の経験を忘れない。

自分が手に入れて感じた体験は忘れずにメモしておく。

海は光っていただろうか。

どの色の花が好きか。

空の青さはどうか。

夜の匂いはどうだろうか。

それらを忘れずにメモしておく。

想像力をかきたてる作品を覚えておく。

目の前にあるイメージに敏感になり、足りない個所はどんどん書き足してゆく。

そうして物語が出来上がる。私だけの物語が。

お金をかけずに頭を使う方法。

とにかくお金が無い。

そんなときに一番役に立つ方法がある。

想像することだ。

自分に今、何が必要か。

お金以外のことをじっくり考える。

将来のこと、好きなこと、わくわくすることをひたむきに考える。

ばかばかしく見えるけれど、後から振り返ってみるとそれは重要なことであることが分かるはず。

時間がある今のうちにじっくり考えてみてほしい。

これをやることによって、私は自然が好きで、写真を撮りたいと思っていたこと。動物が好きなこと。(特に猫、鳥、魚)

下手でも絵を描くことが楽しかったことを思い出した。

桐でできた家具が欲しかったこと、アンティークの本と本型の小物入れが欲しかったこと、オルゴールが大好きだったことを思い出した。

想像力を甘く見ていたらいけない。

想像次第で人は豊かにもなる。貧しくもなる。

自分の好きなことを言葉で表現できるようになったとき、私は涙を流して喜ぶだろう。

一つ一つをしっかりと、確実に夢として保存して、目標にする。

そこからまた新たな楽しいことが生まれる。

追い求めるのは楽しいことだ。

枯れた花は自らの手で咲かせればいい。

人は自分が気づかないうちに、何かを押し付けてしまう。

迷惑であることも知らずに、自分の中の言いたいことを、好きなことを押し付けてしまう。

本人にそのつもりはなくても、他人から見ればそれは押し付けがましいことだ。


愛は、人に押し付けるものではなく、許すものだ。

そうしなければ愛は枯れてしまう。

枯れてしまったものは仕方ない。あなた自身の愛の花を咲かせよう。


その言葉に何度救われたのだろうか。

私は、人を愛する力を信じたいと思っている。

だから、あなたの花を、あなた自身の力で咲かせてはどうだろう。


どんなに落ち込んでいても、この曲が私を回復させてくれる。

忘れかけていた大切なことを気付かせてくれる。

私にとってI know That.はそんな曲だ。


http://j-lyric.net/artist/a057c45/l02d915.html

君は慟哭を愛せるか。



the cabs。

それは、たった三枚のミニアルバムから織りなされる壮大な物語だ。

高橋國光という一人の男が紡いだ物語を、首藤義勝が形にしてゆく。

その大がかりな夢の世界はいまも形成されていて、歌い手は変われども本質は変わらない。


初めて聴いた時に、頭を殴られたような衝撃を強く受けた。

オルゴールのような少年の声、それに重なる叫び、「罵る」「汚い」といったマイナスの言葉が平気で羅列された歌詞。

今まで聴いたことはなかった。

それでいてマイナスイメージはなく、むしろあたりにはひんやりとした氷のような静寂が残る。

Lelandで跳ね回るような言葉を歌い、色が消え失せたジャムは琥珀のような印象を残す。

それらは現実の世界の言葉では語られてはいない。

どこか遠い国の、夢の世界の言葉たちで綴られている。


この物語の世界に入り込むには、勇気と覚悟が必要だ。

君は慟哭を愛せるか。

「ひとつになりたい」、その叫びを丸ごと受け入れられるのか。

愛して、自分のものにできるか。

そして、人生を飲み込まれないようにできるか。

強い物語には責任が付きまとう。人生を縛ってしまうほどの強い影響力がある。

あなたにその覚悟はあるか。

私なりの音楽の定義。

音楽とは、何だろう?

良い音楽に出会うと、自分がその世界に溶け込んでゆくかのような感覚を覚える。

自分の存在が溶けて、なくなってしまうかのように。

そうしていたらいつしか悲しみも楽になる。

私が音楽を選ぶとき、歌詞を参考にする。

そしてほぼ必ずCDで買う。

借りることもするけれど、ダウンロードは選択肢から基本外している。

アーティストの見た目で選んでいるように見えるが、それはあくまでも建前だ。

強く心に残った音楽から選ぶ。

感情に残らない音楽はただの作品で、それは芸術じゃない。

強く心に響いた曲だけをじっくり選ぶ。

音楽を聴いた分だけ、人を愛すことができればいいのに。

それがささやかな私の思いだ。

儚く、寄り添うこの世界で何を思う

CREATURES

CREATURES

creaturesのトラック4。

toneless twilight。色調のない薄明。

7年前、汽空域と同時期に発売されたこの曲を、私はずっと好きなままでいる。

きっとずっと変わることはないと信じている。

柔らかいピアノの音から始まるこの曲を、暗闇の中で一人、ひっそりと聴く。

冬場の寒い時期に聴けば、より深く音楽の世界に入ることができる。

真っ暗だった世界に、一筋の柔らかい光が射す。

いつまでも輝いたままで、その光が消えることはない。

悲しみに打ちひしがれた心を優しく包み込んで、放さない。

それはまるで小さな星を心の中に仕舞い込んだかのように、いつまでも光り輝いている。

あくまでもさりげなく寄り添うこの曲に何度助けられたことだろう。

この先もずっと私の背中を押すのだと、信じている。

私の頭の中で生かされてきた生き物たち。

絵は致命的に下手くそなので、私は考えを文章にすることしかできない。それでも100%ではない。

なのでここで一つずつ生き物たちのアイディアを書き連ねてゆこうと考えた。


魚が好きだ。

魚と鯨が好きだ。

魚のひれを持ち、鯨ほどの体の大きさを持ち、鳥の羽を持った大きな生き物が好きだ。

彼らの尾びれは三日月型で、金色に鋭く光っている。

頭は青色で、それは空をべったりとキャンパスで塗りつぶしたような色だ。

尾に近づにつれて、金色に近くなる。

目は真っ黒で、それは優しく澄んでいる。

笑うと大きな口が動く。もとは鯨だから、櫛状の歯を使ってオキアミを食べる。

胸びれはとても大きい。それらには鱗ではなく鳥の翼が付いている。

いや、翼そのものだ。

彼らの姿を見たものはこう言う。

「あれはまるで流れ星のようだった」と。