思考は揺らめく道化師の羽

読んだ本と琴線に触れた音楽を綴る場所。かつて少年だった小鳥にサイネリアとネリネの花束を。

死を悼む二人の者たちについて。

ストレイテナーの物語は悲しむことに重点を置いた話が多い。

以前にも記事として書いた78-0にも、明くる日のピエロにも言えることで、

ネクサスに収録されているLightningには主人公の体が消えることが仄めかされている通り、そこには何者かの死の趣が濃い。

死者の歌、戦士の屍のマーチ、続くunicornといい、そこには戦争と死者の影がある。

死者の声を聞くという意味では読書も似たようなものかもしれない。

名作を書いた人たちはとっくの昔にこの世にいない。

小川洋子はかつて、作品の中でこういった。

「死を弔うことが物語の本質だ。死の匂いがあってこそ物語は輝く」と。


全ての生を授けるものは同時に死を授けるものであり、弔いに値するものだ。

それらは一筋の希望の光であり、尊重すべきものなのだ。


生きている限り、死者に鎮魂の思いを込めて弔う。

誰かを思いやるという気持ちが忘れ去られつつある今、

それが礼儀というものではないのか。


本読み上級者編の二冊。

最後に、文体は限りなくシンプルなのに内容ははるかに難しいこの二冊を。


破壊しに、と彼女は言う (河出文庫)

破壊しに、と彼女は言う (河出文庫)

デュラスの「破壊しに、と彼女は言う (河出文庫)」。

これは果たして小説なのか、それとも散文詩なのか、それとも戯曲なのか。

アリサの奇怪な行動と衝動には疑問が尽きない。

他の登場人物の会話も不十分な所がかなり多く、その解釈は読者に任されている。

まさしく「百人いたら百通りの読み方ができる」小説。


すべての見えない光 (新潮クレスト・ブックス)

すべての見えない光 (新潮クレスト・ブックス)

アンソニードーアの「すべての見えない光 (新潮クレスト・ブックス)」。

ピュリツァー賞を受賞した2016年の衝撃作であり最高傑作。

もうこれは本を通り越して一つの画像と音声のない壮大な映画。

目の見えない少女と少年兵の緻密な描写をとにかく味わってほしい。


いかがでしたでしょうか。

三日間かけておすすめの本を紹介してきました。

いやー、本はあまり読まないよ!って言う方も、最近の本は何を読んだらいいか分からない!って言う方も、

ほんの少ーしだけでも本に興味を持っていただけたら、嬉しいです。


今週のお題「読書の秋」)。

本はどうやって手に入れる?

皆さんは本をどうやって手に入れるだろうか。

古書店で買う?

それとも、新刊を書店で購入する?

はたまた、図書館で借りる?

私は、必要に応じて、(なるべくなら新刊で購入したいけれど)使い分けている。


新刊→単行本(ハードカバー)

中古→好きな作家の昔の作品、文豪の作品、名作、掘り出し物

図書館→中古でも手に入らず、書店でも手に入れられない本、もしくは新刊だけれど高いもの、読みたい本


そんな訳で本が溜まる。溜まって泣く泣く処分をせざるを得なくなる。

でも本は捨てない。中古で売れるだけ売る。

何故なら、自分の本がまた、別の新しい人の欲しい本になるかもしれないから。

捨ててしまったら、勿体無い。

だったら安価であっても売った方が人の役に立つ。

私のこの本が、別の誰かのお気に入りの本になったらとてもうれしい。

なんて思っていたりする。

一番いいのは、書店で新刊を購入すること。

お金に余裕がなければ、中古書店か図書館を活用すること。

だけど、図書館オンリーは少し厳しいかもしれない。

図書館だと買うことができないし、返却にストレスを感じる人も多いから、そういった方は苦心しても最低中古で本を買っていくことがおすすめ。

自分のペースで活用して、お気に入りの本たちを見つけよう。

そこにはきっと、掛け替えのない出会いが待っている。

本読み中級編の三冊。

本読み初心者の方へのおすすめ傑作本三冊。 - 思考は揺らめく道化師の羽

初心者向けの本じゃ物足りない、もっと刺激がほしい、少し成長したいなと思うときに読みたくなるような三冊を紹介しよう。


わたくし率 イン 歯ー、または世界 (講談社文庫)

わたくし率 イン 歯ー、または世界 (講談社文庫)


まずはこれ。川上未映子わたくし率 イン 歯ー、または世界 (講談社文庫)

この奇怪なタイトルと中身のぶっ飛んだ内容に、度胆を抜かれる、はず。

一言でいうと、永遠にぶっ放される言葉のマシンガンです。

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

お次はこれ。村上春樹神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

表題作をはじめ、「かえるくん、東京を救う」、などどこかファンタジックなのに現実を見据えた作品が多い。

なぜならこの本が書かれた時はオウム真理教地下鉄サリン事件や震災があったから。

少しこの秋は時代背景を考えながら読んでみるのもいいかも。

もちろん、物語としても楽しめるのでおすすめ。


うつくしい子ども (文春文庫)

うつくしい子ども (文春文庫)


最後はこれ。石田衣良うつくしい子ども (文春文庫)

恋愛小説だけでなくこういった社会派の作品も書くことができるというのがこの作家の大きな強み。

この本が気に入った方は他に光 (集英社文庫)北斗 ある殺人者の回心 (集英社文庫)もおすすめ。かなりヘビーですが、読んで損はしないかと。

ドラマの原作ですので、チェックしている方もいるのでは。

本読み初心者の方へのおすすめ傑作本三冊。

本読みサイトの割に全くと言っていいほど本を紹介していなかったので、

この際、本を紹介しようと思う。


博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

言わずと知れた傑作。小川洋子の代表作。

80分しか記憶が持たない博士と、主人公の家政婦とその息子ルートの美しくも儚い数学の美についてのお話。

「僕の記憶は80分しかもたない」という印象的なセリフを覚えている方も多いのでは?

古参の阪神ファンも楽しめる(作者が阪神ファンの為)、読まなければ絶対損する一冊。


ふたたびの虹 (祥伝社文庫)

ふたたびの虹 (祥伝社文庫)

竜の涙 ばんざい屋の夜 (祥伝社文庫)

竜の涙 ばんざい屋の夜 (祥伝社文庫)

「おばんざいシリーズ」と呼ばれる、読むと心がぽかぽか温かくなる二冊。

おかみさんの美味しそうなお料理に舌鼓をきっと打つはず。

一つ一つのエピソードが泣かせてくれます。おすすめ。

夏の囃子に曝され全てを失ったとて。

Behind The Scene

Behind The Scene

(暇なのと)手ごろな解釈サイトが無かったので、私が勝手に解釈した78-0について語ってみようと思う。

一言でいうと得体のしれないダークな異端児だ。

まず、テナー「らしくない」。

八月の祭囃子ということは何かのお祭り、あるいはフェスのことを意味するのか。

厚化粧の少年少女=見苦しい(厚ぼったい)少年少女?

操り人形に愛の口づけを=踊らされている者たちに憐みのキスを?

血の月曜=誰かが月曜日に殺された、もしくは狂った月曜日?どちらにしろ狂気。


一抹の淡い感傷=一瞬のセンチメンタル、儚いもの

夏の嵐も最後のダンスもまだ嘘を=夏が、まだ嘘をつき続けているのか?

走り過ぎる不在の心象=通り過ぎた(存在しない)イメージ、幻?

ナイフを手にした裸足の人魚=人魚は魚の尾を持つので裸足ではない。だとすればメタファーか。

殺意を抱いた女の子のことか。身を捨ててもということは自殺?


サビ 78 全部見える=78-0とは道路をイメージした名前(本人譚)

全て透けて見えるということか。

0に=0を足しても引いても0はゼロのまま。

+と-を求めあって=何かの暗喩。正と負、男と女、磁石の両極のようなものか。

ガラスみたいな透明になって=透ける、透明になる、ガラス細工のような美しいイメージ。

78すぐ消える=ここでの78は前者の78とは違うような気がする。

パッと現れ溶け合って消えるイメージか。


朱く染まる地平

眩く照らす恒星

=どちらも明るいもの、赤いもの。そして相反の関係にある。

朱くということから夕暮れか。夕暮れと星を掛け合わせているのか。


サビ(省略)

手に入れる=女性を手に入れる暗喩か。


なんとなく、個人的には性的なイメージとメランコリックなイメージが強い。

あくまでも個人的な解釈ですので、参考までに。

どちらにしてもこの曲、謎が多くて解釈に手間取る。

個人的ガチセトリ、再始動。

気が合う人を募集しております。


SAD AND BEAUTIFUL WORLD/ストレイテナー

迷走/GOOD ON THE REEL

TRABANT/スピッツ

yellow/mol-74

Answer the door/She Her Her Hers

嘘/秦基博

目が明く藍色/サカナクション

メテオ/Over The Dogs

解毒される樹海/the cabs

信者よ盲目であれ/back number

ロング・グッドバイ/9mm Parabellum Bullet

デカダントタウン/アルカラ

For a Dead Girl+/ゆよゆっぺ Feat. 巡音ルカ

紺碧の夜に/the HIATUS

奇跡/amazarashi

Tremolo + A/凛として時雨