最後の注文に乗り遅れるな。
- アーティスト: LASTorder
- 出版社/メーカー: PROGRESSIVE FOrM
- 発売日: 2016/11/13
- メディア: CD
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人生を覆す音楽に遭遇してしまった。
今までの音楽って一体、一体なんだったんだ?
あちこち音楽を聴きながらサイトを巡っていたら遭遇した。
その名も、LASTorder(ラストオーダー)。
まだ私は三曲程度しか聴いていないが、確実に持っていかれた。
え、そんな馬鹿なって?狐につままれたようだって?
言葉で説明できないので、とにもかくにも一回聴いてほしい。それから記事を読むので全然かまわない。
「生きているうちにこの音楽に出会えて、良かった。」
この音楽はもはや、音楽どころか神の域まで到達してるんじゃなかろうか。誇張抜きで。
読んだお気に入り本を列挙する。
綾瀬まる「朝が来るまでそばにいる」「やがて海へと届く」
いしいしんじ「プラネタリウムのふたご (講談社文庫)」「ぶらんこ乗り (新潮文庫)」
伊坂幸太郎「砂漠 (新潮文庫)」「チルドレン (講談社文庫)」
小川洋子「ブラフマンの埋葬 (講談社文庫)」「薬指の標本 (新潮文庫)」「ことり (朝日文庫)」「偶然の祝福 (角川文庫)」
川上弘美「真鶴 (文春文庫)」「神様 (中公文庫)」「おめでとう (新潮文庫)」「どこから行っても遠い町 (新潮文庫)」
川上未映子「愛の夢とか (講談社文庫)」「ヘヴン (講談社文庫)」「水瓶」
神林長平「フォマルハウトの三つの燭台〈倭篇〉」「だれの息子でもない (講談社文庫)」
呉 勝浩 「白い衝動」
小路幸也「蜂蜜秘密 (文春文庫)」「壁と孔雀(ハヤカワ文庫JA)」
白石一文「記憶の渚にて」「彼が通る不思議なコースを私も (集英社文庫)」
中村文則 「教団X (集英社文庫)」「何もかも憂鬱な夜に (集英社文庫)」「私の消滅」
長野まゆみ「雨更紗 (河出文庫―文芸コレクション)」
「綺羅星波止場 (河出文庫―文芸コレクション)」「賢治先生 (河出文庫〔文藝コレクション〕)」
仲畑 貴志 「この骨董が、アナタです。 (講談社文庫)」
西加奈子 「i(アイ)」「サラバ! 下」「きりこについて (角川文庫)」「ふる (河出文庫)」
森絵都 「カラフル」「つきのふね (角川文庫)」
人生を後悔しないためにも、本気で読んでいた方が良い本
今週のお題「読書の秋」
- 作者: 西加奈子
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/10/25
- メディア: 文庫
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- 作者: 町田康
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/02/01
- メディア: 文庫
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誰だって人生を悔いたくない。
悲しい人生より、明るい人生を歩んだ方が良いに決まっている。
そんな人に本気の本気の本気でおすすめする本があります。
「きりこについて」「告白(町田康)」この二冊。
この二冊のテーマは「人間関係での、後悔」。
人間関係でのあらぬ勘違いをしたせいで、人生が二転三転。
もう、ゴロンゴロン大玉転がしの玉のように転がっていっちゃいます。こんなに変わっていいの?って位に。
人生って本当に、何があるか分かりませんな。
人は生まれた場所と親を選べない。それと元々の気質のせいで…。なんていうお話です。
そういう話なので「重たいのかな?」って思う人、それは大間違い。
笑えます。
むちゃくちゃ笑えます。
読み終わった後には走る酢醤油と白玉がこびり付くぐらい、笑えます。
知性ある黒猫、個性あふれる登場人物、思わぬどんでん返し。
笑って泣けて考えさせられる二冊。
秋の夜長に、ぜひ。
自分は人と違っているかも?生きづらくて辛いな、
もしくはもう絶対後悔なんてしたくないよーっていう人にお勧めです。
肉体の消滅を謳う。
前回の記事の続きになる。
- 作者: 小川洋子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/08/10
- メディア: 文庫
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肉体の消滅、というと、何か堅苦しくなりそうなので、できるだけ柔らかく語ろう。
テナーと小川洋子には「体が消える」という特徴がある。
その感覚は「薬指の標本」にも言えることだったのだが、「密やかな結晶」ではさらにその意味が強い。
少しずつ、身体の一部が透明になって見えなくなってゆく。
名前もない場所で、というのは名前がなくなった場所でということなのか。
名前が失われた場所。色彩を失った場所。打ち捨てられたギター。
肉体(からだ)を失った男と少女。
体があるのに少しずつ欠けてゆくという感覚は、「欠損」と呼ぶにふさわしい。
視野が少しずつ狭まってゆくように、体が勝手に消えてゆく。
そして、ある時彼らは魂だけの存在になる。
それは人間の究極の姿であり、私たちが絶対に見ることができない場所なのだろうと思っている。
音楽と小説。ジャンルは全く違うはずなのに、似ているのが不思議だ。
彼らは同じことについて語っているんだろうか。
だとしたらなぜ、ここで言わなければならなかったのだろう。
あるバンドマンが辿った読書の軌跡。
それは、偶然というしかなかった。
彼の文章と音楽に出会った時、私は恐れ慄いた。
あまりにも、今まで読んだ本や音楽と考え方が違っていたので。
他のアーティストとはかけ離れた世界観を持っていたから。
高橋國光。
彼は、一体どのような本を読んで、どのような映画を見たのだろう。
ここにあるのは私が実際に読んで感じた「既視感」による選書だ。本当に読んだかどうかは定かではない。
今でも私は後ろ姿を探している。
死を悼む二人の者たちについて。
ストレイテナーの物語は悲しむことに重点を置いた話が多い。
以前にも記事として書いた78-0にも、明くる日のピエロにも言えることで、
ネクサスに収録されているLightningには主人公の体が消えることが仄めかされている通り、そこには何者かの死の趣が濃い。
死者の歌、戦士の屍のマーチ、続くunicornといい、そこには戦争と死者の影がある。
死者の声を聞くという意味では読書も似たようなものかもしれない。
名作を書いた人たちはとっくの昔にこの世にいない。
小川洋子はかつて、作品の中でこういった。
「死を弔うことが物語の本質だ。死の匂いがあってこそ物語は輝く」と。
全ての生を授けるものは同時に死を授けるものであり、弔いに値するものだ。
それらは一筋の希望の光であり、尊重すべきものなのだ。
生きている限り、死者に鎮魂の思いを込めて弔う。
誰かを思いやるという気持ちが忘れ去られつつある今、
それが礼儀というものではないのか。