思考は揺らめく道化師の羽

読んだ本と琴線に触れた音楽を綴る場所。かつて少年だった小鳥にサイネリアとネリネの花束を。

どこか、神様に近いところで

僕の行動に驚いて振り向く人はいても、本当の意味で僕を分かる人などいない。

注意深く信じてくれる人も、僕の声を聞いてくれる人などどこにもいない。

いたとしてもそれは僕の頭の中にだけだ。

大半の人は面白がって僕の行動を真似るか、冷たくあざ笑うだろう。

僕は愛想笑いしかできない。彼らに笑われると身がすくんでしまう。

いつしかそれが顔に張り付いてしまった。

だから真面目な話でも僕は笑ってしまう。自分に嘘をつき続けた後遺症だ。

それが原因で叱られたこともある。情けない。

面白がらせようとして面白い行動を取るのは芸人だけだ。

僕には全て冷笑と皮肉に聞こえる。

俯きながら手元にあったゴテチアの真紅のビロードを指で握りしめる。

伝えられない怒りが、自分を醜く変えている。

それが本来の姿ではないのに、なぜ僕の言葉はこんなにも伝わらないのだろう。

僕は何か悪いことでもしたのだろうか。

青い火が燻りながら蜻蛉のように僕を取り囲む。

今はまだ昼のはずなのに、あたりは深い闇底に沈んでいる。

アスファルトが湿る匂いがする。もうすぐ雨が近い。湿った風が僕を半透明の羽毛のように包む。

きっとこの胸の中に宿る悲しみも雨のせいで曖昧にできる。

通り雨に打たれることを乞う。

どこか、神様に近いところで僕は声を荒げている。

誰にも話すことができない声を上げている。