思考は揺らめく道化師の羽

読んだ本と琴線に触れた音楽を綴る場所。かつて少年だった小鳥にサイネリアとネリネの花束を。

中学生時代の夢

私には夢があった。
絵を描くことが好きだった。
それはお世辞にも上手いとは言えないものだった。
それでも私は幸せだった。
友人も、私よりは遥かに上手かった。
なにより一番身に堪えたのは、父が絵が上手い人だったからだ。
いつも嫌みたらしく人の顔をスケッチしては、私に見せていた。
私はそんな父を許せなかった。
画才も文才も何一つ与えられなかった、その不遇を恨んだ。

つまり、私は放棄したのだ。
逃げ出すことで、自分が求めている夢を。
自分の実力がないからこうなっているのに。私はそれを認めようとはしなかった。

私は表現者になりたい。
それは今のままではなれない。
分かっている。

中学生時代に描き写していた、
一郎さんをはじめとする、たくさんのロックバンド。
わざわざ美術室にまで持ち込んだ、ロック雑誌と汽空域の歌詞カード。

いつか描きたいと思って描けずじまいの、シーラカンスと僕のイラスト。限りなく青い、深海の色。

もう一度あの頃の夢を果たしたい。
文章もきちんと書いて、絵もきちんと描いて。
もう一度、私はやり直す必要がある。

今からでも間に合うのだろうか。