心に咲く大輪の花と力強く希望を歌う音楽と。
ジュブナイルが好きだ。
懸命に生きる少年少女たちを称える歌。
誰にも伝えられない不満や悲しみを抱えた彼らを、秋田ひろむは何度も励まし、その栄誉を称賛する。
どんなに存在を認められなくても、絶望に打ちひしがれそうになっても、
それでも君はここに居なければならないと、何度も何度も肯定する。
心に一輪の花が咲いたような気分になる。
その力強い肯定に何度励まされたことだろう。
先が見えない、こんな今だからこそ、何気ない今を大切にしていたい。
絶えず自分のそばに花を飾っていたい。
曲や本の中に存在する花でもいいし、道端に咲く花でもいい。
伝えたい思いや心があれば、それは大金をはたいて手に入れた花と同じかそれ以上の価値を持つのだから。
私は信じていたい。
ありきたりの人生が幸せなのだということを。
飾り気のない世界が幸せなのだということを。
彼が作った歌で一番好きな曲、無題で彼女が送った桜色の便箋にただ一言書かれていた、
「信じてたこと、正しかった」
の一言。
私には夢がある。
この言葉を最後に言えるようになるという夢が。
そういう人生を送りたいという夢が。
もう一度言う。私は信じていたい。
人が信じていることを根こそぎ奪うような真似はしたくない。
誰もかれもが言えるような世界でなければならないのだ。
信じていたことを絶望に封じ込めてはならないのだ。