思考は揺らめく道化師の羽

読んだ本と琴線に触れた音楽を綴る場所。かつて少年だった小鳥にサイネリアとネリネの花束を。

ライブ後の興奮の熱が冷めやらぬ中で。

久しぶりに「ハコ」に行ってきた。

そこで目にしたのは、純粋に音楽を楽しむバンドマンの姿だった。

素のままの、策略とかなにも関係なしに、ただひたすら「かっこいい」を貫く姿。

煙草の香りが立ちこめ、時刻を告げる青白いネオンがぴかぴかと輝いていた。

天井が低くて、壁には落書きと共に告知のチラシがびっしり貼ってあった。

上を見上げればぶつかりそうなぐらい丸っこくて白い照明があった。


「俺らはスタッフを極限まで削って、自分たちの目でライブをやってきた。

だから、今ここにいるお前たちにも言いたい。

一杯辛いこともあったし、うれしいこともあった。

でも、音楽やってなかったら俺たち出会ってなかった。

だからお前たちも全力で楽しんでくれよ。俺らも精一杯頑張るからさ!」


ああ、「ばかになって」楽しむのが一番いいんだ。

売れることも大事だけど、それ以上に本人が楽しむのが、一番大事。

一回原点回帰しないと、やってけない。

他人の言葉じゃなく自分の言葉で、もう一度、振り返ってやってみる。

他の人にも同じことを言われた。受け売りじゃだめだよって。自分の頭で考えなきゃって。


頭をぶっつけて、「これ以上馬鹿になったらどうしよう」!って騒ぐボーカルくん。

笑わせてもらったよ。

最後の最後に好きな曲を目の前で歌ってくれて、ありがとう。

思わず熱を帯びて、頭を振り乱しちゃったよ。

私、あなたのことを忘れないようにするよ。