消費されない作品を作るためのただ一つの決まりごと。
昔から考えてきたことがある。
消費されない作品を作るために欠かせないのは、死の匂いだと思う。
死の匂いがなければ、長く続く作品は作れない。
ふらりとどこかに消えてしまうような儚さ。
今日行ってくると挨拶をした人が、何日経っても戻ってこないような感覚。
もしくは「死んでしまうかもしれない」と思わせる描写。
主人公、つまり筆者の存在が限りなく消えていて、そこに情景だけが残っているような作品。
水のように、普遍的な描写。
一見新しそうに見えて、実は根っこは保守的で、王道をなぞった古典的な作風。
そして仄かに漂うエロさ。
それらが長く愛される作品の共通点だと思う。