思考は揺らめく道化師の羽

読んだ本と琴線に触れた音楽を綴る場所。かつて少年だった小鳥にサイネリアとネリネの花束を。

消費されない作品を作るためのただ一つの決まりごと。

昔から考えてきたことがある。

消費されない作品を作るために欠かせないのは、死の匂いだと思う。

死の匂いがなければ、長く続く作品は作れない。

ふらりとどこかに消えてしまうような儚さ。

今日行ってくると挨拶をした人が、何日経っても戻ってこないような感覚。

もしくは「死んでしまうかもしれない」と思わせる描写。

主人公、つまり筆者の存在が限りなく消えていて、そこに情景だけが残っているような作品。

水のように、普遍的な描写。

一見新しそうに見えて、実は根っこは保守的で、王道をなぞった古典的な作風。

そして仄かに漂うエロさ。

それらが長く愛される作品の共通点だと思う。