思考は揺らめく道化師の羽

読んだ本と琴線に触れた音楽を綴る場所。かつて少年だった小鳥にサイネリアとネリネの花束を。

どうか、僕が僕のままあり続けられますように。

kikUUiki(初回限定盤)

kikUUiki(初回限定盤)


どれほど聴いたのだろうか。

シーラカンスと僕

未だに、これを凌ぐ音楽を知らない。

真っ青なシーラカンスが、尾鰭を動かし水に溶ける。

夜の暗い街の中を一匹の深海魚が泳ぐ。

その世界はあまりにも幻想的で、それでいてどことなく物悲しかった。

アルクアラウンドよりも、アイデンティティよりも、表題作と呼ぶべき隠された金字塔。

曖昧な若さを丸め込んで、ゴミにする。

全てを投げ捨てて、一へ戻る。

今に至るまで邦楽を聴き続けているのは、この音楽を抜く音楽を知りたい、と思ったから。

もしかしたら抜くかもしれない、というアーティストもちらほらいるけれど、まだまだ、私はこの曲から逃れられそうにない。

いつになれば、この世界を超えて行けるのだろうか。

それか、もう抜け出しているのか。

真相は分からない。

正直、初期のサカナクションの方が、個人的には好きだ。

ネイティブダンサー、アドベンチャー、表参道26時、エンドレス、仮面の街。白波トップウォーター、ワードとサンプル。

どうか、僕が僕のままあり続けられますように

もう、前のような琴線に触れる音楽は出てこないのかな。

ちょっとさみしいな。