どうか、僕が僕のままあり続けられますように。
- アーティスト: サカナクション
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2010/03/17
- メディア: CD
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どれほど聴いたのだろうか。
未だに、これを凌ぐ音楽を知らない。
真っ青なシーラカンスが、尾鰭を動かし水に溶ける。
夜の暗い街の中を一匹の深海魚が泳ぐ。
その世界はあまりにも幻想的で、それでいてどことなく物悲しかった。
アルクアラウンドよりも、アイデンティティよりも、表題作と呼ぶべき隠された金字塔。
曖昧な若さを丸め込んで、ゴミにする。
全てを投げ捨てて、一へ戻る。
今に至るまで邦楽を聴き続けているのは、この音楽を抜く音楽を知りたい、と思ったから。
もしかしたら抜くかもしれない、というアーティストもちらほらいるけれど、まだまだ、私はこの曲から逃れられそうにない。
いつになれば、この世界を超えて行けるのだろうか。
それか、もう抜け出しているのか。
真相は分からない。
正直、初期のサカナクションの方が、個人的には好きだ。
ネイティブダンサー、アドベンチャー、表参道26時、エンドレス、仮面の街。白波トップウォーター、ワードとサンプル。
どうか、僕が僕のままあり続けられますように
もう、前のような琴線に触れる音楽は出てこないのかな。
ちょっとさみしいな。