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思考は揺らめく道化師の羽

読んだ本と琴線に触れた音楽を綴る場所。かつて少年だった小鳥にサイネリアとネリネの花束を。

水のように漂って、彼は世界を躍らせ変える。

CDプレーヤーの再生ボタンを押して、しばし簡単な旅に出る。

そこで出会う物語たちや音楽たちは、水のように揺らめいて光っている。

epochを聴きながらふとそんなことを考える。

水は油以外のほとんど全ての物と混じる。

水はすべての源泉で、その始まりの音楽を聴く。

踊らされていることも念頭に入れながら、それでも私は音楽を聴くのをやめられない。

今日は雨の日。だからこそ念入りに音に浸る。

このままどこかへ行ってしまいたい。そんな願いを叶える一曲。

http://www.uta-net.com/song/203373/

私が追い求めているものの定義

どうして私は過去に戻ってゆくのが好きなんだろう。

自分が子供のころから「懐かしい」という感覚はあって、

それがなんとなく今に至るまで染み付いているような感じだろうか。

レトロ、でもない、別の何か。レトロに少し感覚は近いのだけれども。

いや、それはレトロか。何だか定義が分からなくなってきた。

人は私のような人間をサブカルチャーと名付けるのかもしれないが、そういった物や所たちがなんとなく、好きだ。

それか怖いと思っていたのに、いつしか好きになってしまったのかもしれない。

HINTOの「なつかしい人」を聴いて特に痛感した。

過去に返ってゆくものたちは、何かしら魅力と怖さを併せ持っていると。



星を賣る店

星を賣る店

この本もまた、私を過去の世界へ連れてゆく。

「ないもの」ばかりを集めた展覧会。

私が追い求めているのは、今ここに存在しないものなのかもしれない。

それが時間であるのかは分からないけれども。

皮肉屋と言われたのなら、少し説明を加えればいい。

皮肉屋だとよく言われる。

自分ではそう言った覚えは全くないのに、気が付いたら周りを困らせている。

私にとっては面白いものでも、周りの人にとっては不快なことも多々ある。

「論理的ですね」と「皮肉屋ですね」というのは同じ意味だ。

もしかすると皮肉と哲学というのは表裏一体のものではないかと思うのだ。

周りに共感を得ることができたらそれは哲学で、ただ一人ごちていたらそれは皮肉ではないのかと。

論理的という言葉の本来の意味は簡単で、周りより少し言い方が遠回しだ、ということだ。

遠回しだからこそ、言いたいことが伝わらない。だからもどかしい思いをする。

そのせいで衝突することが多いというのが難点だ。

だから私は極力、端折ることをしないようにしている。

そうしないと私の言葉が伝わらないから。

もし私のようにもどかしい思いをしている人がいたら、少し考えてみてほしい。

もしかしたらもう少し説明がいるのかもしれないと、一言アドバイスを加える。

そうすればあなたの話を聞いてくれる人も増えるだろう。

博物館とか、過去に返る場所についての話。

過去に返ってゆくような場所が好きだ。

学校の玄関にあった剥製や郷土の品々を詰め込んだガラスケースや、博物館の展示品。

ボタニカルアート

植物が絡みついた庭。

貝殻を高い値段で売っている店。

と、それをなんとなく手に取る私。

古びた自転車が投げ捨ててある山奥の桃源郷

植物が生い茂っていて、春になると桜が満開で、思わず見とれてしまう。

ここはこの世にあるものなのかと思ってしまうほどに。

私はそれらに出会った瞬間、昭和と平成のあいだをゆらりゆらりと行き来してゆく。

君は慟哭を愛せるか。


初めて聴いた時に、頭を殴られたような衝撃を強く受けた。

オルゴールのような少年の声、それに重なる叫び、「罵る」「汚い」といったマイナスの言葉が平気で羅列された歌詞。

今まで聴いたことはなかった。

それでいてマイナスイメージはなく、むしろあたりにはひんやりとした氷のような静寂が残る。

そのタイトルの通り、2月になると聴きたくなる。

この物語の世界に入り込むには、勇気と覚悟が必要だ。

君は慟哭を愛せるか。

「ひとつになりたい」、その叫びを丸ごと受け入れられるのか。

愛して、自分のものにできるか。

覚悟を問われる曲だ。

私なりの音楽の定義。

音楽とは、何だろう?

良い音楽に出会うと、自分がその世界に溶け込んでゆくかのような感覚を覚える。

自分の存在が溶けて、なくなってしまうかのように。

そうしていたらいつしか悲しみも楽になる。

私が音楽を選ぶとき、歌詞を参考にする。

そしてほぼ必ずCDで買う。

借りることもするけれど、ダウンロードは選択肢から基本外している。

アーティストの見た目で選んでいるように見えるが、それはあくまでも建前だ。

強く心に残った音楽から選ぶ。

感情に残らない音楽はただの作品で、それは芸術じゃない。

強く心に響いた曲だけをじっくり選ぶ。

音楽を聴いた分だけ、人を愛すことができればいいのに。

それがささやかな私の思いだ。

儚く、寄り添うこの世界で何を思う

CREATURES

CREATURES

creaturesのトラック4。

toneless twilight。色調のない薄明。

7年前、汽空域と同時期に発売されたこの曲を、私はずっと好きなままでいる。

きっとずっと変わることはないと信じている。

柔らかいピアノの音から始まるこの曲を、暗闇の中で一人、ひっそりと聴く。

冬場の寒い時期に聴けば、より深く音楽の世界に入ることができる。

真っ暗だった世界に、一筋の柔らかい光が射す。

いつまでも輝いたままで、その光が消えることはない。

悲しみに打ちひしがれた心を優しく包み込んで、放さない。

それはまるで小さな星を心の中に仕舞い込んだかのように、いつまでも光り輝いている。

あくまでもさりげなく寄り添うこの曲に何度助けられたことだろう。

この先もずっと私の背中を押すのだと、信じている。