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思考は揺らめく道化師の羽

読んだ本と琴線に触れた音楽を綴る場所。かつて少年だった小鳥にサイネリアとネリネの花束を。


君に伝えたい話がある、今からそれを話そう。


「僕は永遠に治らない病気に罹ってるんだ」

あれ、言っていなかったっけ?

「それが再発したんだ、治療に専念しなきゃ。もう脳みその中で増殖してるんだそれは、」

それが何を意味しているのかは、なんとなく分かった。

「だから、僕はもうここには帰ってこないんだ」

「さよなら」


今朝、彼は笑顔で口を開いた。

私は何も言えなかった。

だって、

彼は昨日まで私と普通に話をしていて、

普通に一緒にいて、

そんなときに、口を開く機会などどこにあるというのだ?



気付いたら、私は泣いていた。

その涙を止める術などなかった。

ただただ、ひたすら泣いていた。

あたりが真っ白になるまで、とめどなく泣いていた。

誰のための涙?

誰のための言葉?

誰のための…。


そこまで考えて、私は気を失った。

それ以降の話を覚えていないのだ。

私は無理して笑って、無表情なふりをした。

希薄なふりなら、どんなに楽なんだろうか。

彼は笑顔で手を振っていた。

そんな時まで、笑顔でいるなよと、ひっそり思った。

泣いてくれよ。

そんな時まで嘘をつくなよ。

こっちまで泣けてくるじゃないか。

リンゴのパイを送った。

私が大好きなものだ。

それ以降彼はこない。

今まであったものがふっつりと途切れてゆく。

こんなこと、映画の中だけだと思っていたのだ。



なあ、嘘だと言ってくれ。

いつものように笑顔で嘘だよと、言ってくれ。

世界で一番の嘘つきの君が見たい。

ただ、それだけなんだ。

僕は新たな幻惑の音楽に戸惑う。

何なんだ。いったいこれは何だ。

一瞬目を疑った。

とんでもない音楽を聴いてしまった。

さわりを聴いただけでそう私は確信した。

このアーティストは後々語られることになる。

そんな雰囲気が醸し出されている。


彼らの名はmol-74(モルカルマイナスナナジュウヨン)。まだ新しいバンドだ。

私は彼らの名前を新聞で見た。

鶏のから揚げを口いっぱいに頬張りながら、目だけはその奇妙な名前にくぎ付けになった。

この陽だまりの中のまどろみのような幻想を操る彼らがこれからどう進化していくか。

ああ、想像しただけでわくわくする。

私は楽しみでならない。また新たな楽しみを授けてくれてありがとう。

独り占めするなら今のうちだ。今ならまだ間に合う。

個人的なおすすめは「グレイッシュ」、必聴です。



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無題

「あなたは純粋すぎるのよ。子供のように無垢な心をもっているのよ」

「周りの人はみんな馬鹿にすることしか考えていないって?そうねえ、そういった人は見下すことが好きなのよ。

人を馬鹿にして、自分が優位に立ちたいだけなのよ。

なぜなら自分が満たされていないから、自分が好きなことを何一つしていないからそうなるのよ。

恩着せがましい偽善者が多いわ。

そのくせ自分はいいことをしているって思ってるから、なおさら厄介ね。

自分のやってることを知らないということは、後々にトラブルを招くわ。

可哀そうな人だから、そんなひとにあなたは同調なんてしないで、何か別の場所に逃げなさい。

どこでもいいから、ここじゃない別のところをあなた自身の手で新しく作りなさい。

絶対に同調なんてしちゃだめよ。あなたも同じような人間だと評価されるわ。」

「あなたの人生はあなたのテーマ。誰にも決めさせてはいけない。

もし誰かの考えが欲しいなら、ヒントや前例としてとらえることね。参考にしても同じ道を歩んじゃ駄目よ。

どこかで苦しむから。」

「あなたの人生はあなたの好きなことで満たしなさいよ。あなたは考えすぎるのよ。もっと気楽に生きなさい。」

「あなたを見ている人は必ずこの世界にいるのだから、安心して生きなさい。私は待っているから。」

心に咲く大輪の花と力強く希望を歌う音楽と。


ジュブナイルが好きだ。

懸命に生きる少年少女たちを称える歌。

誰にも伝えられない不満や悲しみを抱えた彼らを、秋田ひろむは何度も励まし、その栄誉を称賛する。

どんなに存在を認められなくても、絶望に打ちひしがれそうになっても、

それでも君はここに居なければならないと、何度も何度も肯定する。

心に一輪の花が咲いたような気分になる。

その力強い肯定に何度励まされたことだろう。


先が見えない、こんな今だからこそ、何気ない今を大切にしていたい。

絶えず自分のそばに花を飾っていたい。

曲や本の中に存在する花でもいいし、道端に咲く花でもいい。

伝えたい思いや心があれば、それは大金をはたいて手に入れた花と同じかそれ以上の価値を持つのだから。


私は信じていたい。

ありきたりの人生が幸せなのだということを。

飾り気のない世界が幸せなのだということを。


彼が作った歌で一番好きな曲、無題で彼女が送った桜色の便箋にただ一言書かれていた、

「信じてたこと、正しかった」

の一言。

私には夢がある。

この言葉を最後に言えるようになるという夢が。

そういう人生を送りたいという夢が。


もう一度言う。私は信じていたい。

人が信じていることを根こそぎ奪うような真似はしたくない。

誰もかれもが言えるような世界でなければならないのだ。

信じていたことを絶望に封じ込めてはならないのだ。

自分の経験を忘れない。

自分が手に入れて感じた体験は忘れずにメモしておく。

海は光っていただろうか。

どの色の花が好きか。

空の青さはどうか。

夜の匂いはどうだろうか。

それらを忘れずにメモしておく。

想像力をかきたてる作品を覚えておく。

目の前にあるイメージに敏感になり、足りない個所はどんどん書き足してゆく。

そうして物語が出来上がる。私だけの物語が。

お金をかけずに頭を使う方法。

とにかくお金が無い。

そんなときに一番役に立つ方法がある。

想像することだ。

自分に今、何が必要か。

お金以外のことをじっくり考える。

将来のこと、好きなこと、わくわくすることをひたむきに考える。

ばかばかしく見えるけれど、後から振り返ってみるとそれは重要なことであることが分かるはず。

時間がある今のうちにじっくり考えてみてほしい。

これをやることによって、私は自然が好きで、写真を撮りたいと思っていたこと。動物が好きなこと。(特に猫、鳥、魚)

下手でも絵を描くことが楽しかったことを思い出した。

桐でできた家具が欲しかったこと、アンティークの本と本型の小物入れが欲しかったこと、オルゴールが大好きだったことを思い出した。

想像力を甘く見ていたらいけない。

想像次第で人は豊かにもなる。貧しくもなる。

自分の好きなことを言葉で表現できるようになったとき、私は涙を流して喜ぶだろう。

一つ一つをしっかりと、確実に夢として保存して、目標にする。

そこからまた新たな楽しいことが生まれる。

追い求めるのは楽しいことだ。

枯れた花は自らの手で咲かせればいい。

人は自分が気づかないうちに、何かを押し付けてしまう。

迷惑であることも知らずに、自分の中の言いたいことを、好きなことを押し付けてしまう。

本人にそのつもりはなくても、他人から見ればそれは押し付けがましいことだ。


愛は、人に押し付けるものではなく、許すものだ。

そうしなければ愛は枯れてしまう。

枯れてしまったものは仕方ない。あなた自身の愛の花を咲かせよう。


その言葉に何度救われたのだろうか。

私は、人を愛する力を信じたいと思っている。

だから、あなたの花を、あなた自身の力で咲かせてはどうだろう。


どんなに落ち込んでいても、この曲が私を回復させてくれる。

忘れかけていた大切なことを気付かせてくれる。

私にとってI know That.はそんな曲だ。


http://j-lyric.net/artist/a057c45/l02d915.html