思考は揺らめく道化師の羽

読んだ本と琴線に触れた音楽を綴る場所。かつて少年だった小鳥にサイネリアとネリネの花束を。

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

スピッツに出会うまで。

きっかけは一枚のCDだった。CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection(通常盤)アーティスト: スピッツ出版社/メーカー: Universal Music =music=発売日: 2017/07/05メディア: CDこの商品を含むブログ (1件) を見るこれである。テレビで懐メロ紹…

ライブ後の興奮の熱が冷めやらぬ中で。

久しぶりに「ハコ」に行ってきた。そこで目にしたのは、純粋に音楽を楽しむバンドマンの姿だった。素のままの、策略とかなにも関係なしに、ただひたすら「かっこいい」を貫く姿。煙草の香りが立ちこめ、時刻を告げる青白いネオンがぴかぴかと輝いていた。天…

本を手に取る

夏の図書館は骨の張り付くようなにおいがする。多分消毒液の香りだろう。飛水、パラレル、流跡を借りる。長いこと読みたかったこちらあみ子を読む。新刊もあったな、この作家。川上未映子の水瓶の女の子が砕けてしまうシーンが凄く良かった。小野正嗣を読み…

私の人生を変えた究極の音楽7選。

あちこち他の曲の感想を書いていたり書き直した文章もありで長くまとまりがまるでない雑記ですが、それでもよろしければどうぞ。 シーラカンスと僕/サカナクションミスチルの深海とはまた別の傑作。灰色のビル、窒息しそうなニュース、夜の深く冷たくて暗い…

あったら欲しいバンドグッズ、独断と偏見にて。

フレデリック柄ビデオテープ型マステ(SPAM生活&リリリピートver)KEYTALKのアンティーク人形@スターリングスターver.雨のパレード雨傘@stage&new place ver・(おそろいでレインブーツ付き)サカナクション@シーラカンスくんのでっかいぬいぐるみ付き…

声が消え失せた青年が遺せるものは?

腕を失ったピアニスト。文字を書くことができない小説家。声を失った音楽家。もし、あるはずだったものが根こそぎ奪われたのなら、その人の価値はいったい何で測るのだろうか。その人が残してきた作品だろうか。はたまた、その人の人間性だろうか。 雨のパレ…

鋼鉄の翼と心臓を授けられし者。

神話を読むとき、私はもし彼らがこの時代に生きていたら何を考えるのだろうと想像する。今の時代を神は嘆くのだろうか。はたまた、喜び嘲るのか。その神になったかのような感覚を抱くことができるのがat (liberty)だ。悲劇をもろともせず、鋼鉄で出来た心臓…

優しい音が爆ぜる瞬間。

深い悲しみの中にこそ優しさは宿る。葛藤、失望、孤独。それらを抱えた人たちを優しく慰め、気持ちを楽にしてくれる、優しい言葉のような音楽。mol-74のcolorsは、そんなアルバムだ。彼らの音楽は誰にでも優しく溶け込み、包み込んでゆく。繊細なタッチで描…

青春を告げる黄昏の交響曲と、夜明けを忘れた理想郷。

溶けかけのアイス、うだるような熱、青春はあまりにも不正確で、それでいていつかはあっけなく終わってしまう物だ。儚く終わるものはいつだって美しい。桜の美しさを忘れる人がいないように、この曲もまた、強い光を放っている。あなたが踏み出す一歩は、い…

人間不信という罪は悪ですか?

夏目漱石のこころ。学生時代にこの本を中途半端にしたままどこかへなくしてしまって、大人になった今もう一度購入した。かつての私はなぜこの名作を蔑ろにしていたのだろう。それまで精神面が成長していなかったからだろうか。中学生のころに、少しだけ内容…

個人的にあったらうれしいカバーアルバムを考えてみた

順不同でいくよ。(バンド名/カバー曲名)雨のパレード/楽園(メレンゲ)ゴールデンボンバー/5150サカナクション/赤い電車ASIAN KUNG-FU GENERATION/ネイティブダンサーkidori kidori/オンリーワンダーフレデリック/アウトサイダー(またはフィールソーグッ…

変調するスピッツ、白昼に起きる。

※(大方)スピッツの記事じゃないのでご注意を!読みたい方はこちらにて。doukesinohane.hatenablog.com CDを再生した瞬間、やられた、と思った。最初聞いた時にこりゃ、次のスピッツになりうるであろうバンドだ、と思った。なんでそんなことを思ったか。そ…