思考は揺らめく道化師の羽

読んだ本と琴線に触れた音楽を綴る場所。かつて少年だった小鳥にサイネリアとネリネの花束を。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

start a hare

彼女はいったい、何を作るつもりなの? ー自分好みの「楽園」さ。いい所だよ。 甘くておいしいさくらんぼのような果実が、たわわに実るだけの世界さ。 子猫のお嬢さんも、食べてみないかね?ところで、いのししのおじちゃんはいったい誰? ーおやおや。いき…

a rabbit hutch

うさぎうさぎ。なにみてはねる。くろうさぎいちわが、 ちゃいろのうさぎじゅうわを たずさえて、 ぶたいのうえをはねまわる。ねえねえ。 ーなんだい。あたし、お話しするのが好きなの。 とくにおとぎばなしがいちばんすき。 今からいくつか質問するから、 こ…

「君の瞳は、」

十文字様が泣いている。 「君の瞳は僕の鏡」。 瑠璃菊が咲く丘の下。 神に召された子どもの歌を聴いたんだ。 白狐は月を目指して飛ぶ。 朝と昼の振り子の砂糖。 月は呑まれた。太陽の代償。 金剛石は胡桃の焔。 真珠の蝶がはためく海。 螢の羽を水に透かした。

銀河鉄道:Prototype

カムパネルラ、鐘の音を持つ君へ。 銀河を駆ける蠍よ、その炎で燃やしてしまえ。 電灯は消える。ただ一人、僕を残して。 空の幕は夜鷹の翼。青白く燃えて昼を誘う。 蜂雀の涙は白鳥の首を伝い、象の鼻へと落ちる。 烏瓜と林檎。三角標を見つめる子どもたち。…

あのひとはほんとうに美しいひとなんです、

世界泥棒作者: 桜井晴也出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2013/11/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る あのひとはほんとうに美しい人なんです、わたし、ああいうひとってほかに知らないんです、 それに、あのひとは自信のないひとだ…