思考は揺らめく道化師の羽

読んだ本と琴線に触れた音楽を綴る場所。かつて少年だった小鳥にサイネリアとネリネの花束を。

空も飛べるはず。

子どもの頃、空「を」飛べるはずじゃないかと思っていた。

そんな訳はなかった。

ただの思い違いだったと理解するには、私はまだ幼すぎた。

もともと「めざめ」という名を授けられたこの曲は、まさしく生まれたての赤子の目覚めのようだ。

まるでこの歌に翼が生えていて、私の心を檻から連れ去ってくれるかのような。


美しいゴミできらめくこの世界を、憎みながら、愛しながら生きていくのだ。

私の心は翼をもって空を飛んでいる。決して比喩なんかではなく。

そんな「ここではないどこかへ心を解きはなってくれる音楽」。

だからこそ、こんなにもスピッツは愛されているのだろう。