思考は揺らめく道化師の羽

読んだ本と琴線に触れた音楽を綴る場所。かつて少年だった小鳥にサイネリアとネリネの花束を。

個人的にあったらうれしいカバーアルバムを考えてみた

順不同でいくよ。(バンド名/カバー曲名)

雨のパレード/楽園(メレンゲ

ゴールデンボンバー/5150

サカナクション/赤い電車

ASIAN KUNG-FU GENERATION/ネイティブダンサー

kidori kidori/オンリーワンダー

フレデリック/アウトサイダー(またはフィールソーグッド)(kidori kidori)

スピッツ/MABOROSHI SUMMER or MURASAKI or コースター

KEYTALK/ホタル(スピッツ)or日なたの窓に憧れて

THE ORAL CIGARETTES/女々しくて

ストレイテナー/wonderful&beautiful

キュウソネコカミ/猫飼いたい(ヤバT)

ヤバイTシャツ屋さん/ファントムバイブレーション

変調するスピッツ、白昼に起きる。


CDを再生した瞬間、やられた、と思った。

最初聞いた時にこりゃ、次のスピッツになりうるであろうバンドだ、と思った。

なんでそんなことを思ったか。

それはスピッツのホタルを聴きながらMABOROSHI SUMMERを聴いていたから。

>>「幻幻、それは幻」<<

草野マサムネを模倣できるアーティストはいないと思っていたのに。

夏を歌っているのに静謐で冷たい。それもまた不思議だった。




ぐるぐるとまわるMURASAKIの退廃。

生きたオルゴールの掛け合いが続く。

まるで川上弘美の真鶴と長嶋有のパラレルの世界を再現しているかのような。


真鶴 (文春文庫)

真鶴 (文春文庫)

パラレル (文春文庫)

パラレル (文春文庫)

終わりのない迷路に迷い込む。永遠に閉じ込められる。

現実と幻想のあわいで揺らぐ。

「こんなはずじゃなかったのに」と呟くように歌う。

気付いたら何回も再生している。どこで終止符を打てばいいのか分からない。



それはPARADISE収録の傑作、HELLO WONDERLANDになっても変わりはしない。

半端なく明るいのに、そこには永遠に光が差さない場所がある。

いつもほんの少しだけ、影がある。

だからこそ彼らの曲は中毒性があり、面白い。

ほんの少しセンチメンタルで、美しい。

躍らせる曲より、バラードが好きだ。

センチメンタル(曲名)が傑作。

その他スピッツの渚、スカーレットを髣髴させるFLAVOR FLAVOR、ぐるぐる花びらが舞う桜花爛漫も良い。

酒飲んでバカ騒ぎをしなければもっといいのだが。

個人的にスターリングスターの衣装が好きです。



p.s.あ、Mステ、出るらしいです。ヤマタクと一緒に。

実はこちらにも同じタイトルの曲があるのです(エンドロール)。

彼についてはこちらでちょこっと触れてます。

doukesinohane.hatenablog.com



どちらも傑作アルバムなので、お供にどうぞ。

PARADISE<初回限定盤A:CD+DVD>

PARADISE<初回限定盤A:CD+DVD>


※首藤くんと関係があるかつて存在した残響系バンド。幻想と生きたオルゴール人形の感覚を味わいたいならこちらに。

君はシャウト、好きかい?

doukesinohane.hatenablog.com

一番はじめの出来事

一番はじめの出来事

回帰する呼吸

回帰する呼吸

再生の風景

再生の風景

一時間だけ、天国のような夢を見た。

私は仕事帰りに草を踏みながら歩いていた。

前から目を付けていた木陰のベンチを見つけた。

そこに腰かけて本を読むと、いつもより幸せな気分になれた。

赤い表紙の若きウェルテルの悩み。

幸福感がふくふくと胸の内から湧き上っているかのようだった。

夏なのに春のような陽気な天気で、思わず私は目を細めた。

「ちょっと待ちなさい。」

声がしてそちらへ顔を向けると、女の人が私の前に立っていた。

「隣、良いかしら?」

私がうなずくと、彼女は私の隣に腰かけた。

「ここはとても気持ちいいわね。まるで隠れ家みたい。」

「偶然通りかかったのよ。行きたい行きたいと思ってて。たまたま通りがかったら、あなたを見つけたの。」

そういいながら、彼女は重そうな荷物をベンチの上に置いた。

私は荷物を片づけて、どこか別の場所に移ろうとした。

「あなたもずっとここにいていいのよ。一緒にお菓子を食べましょう」

あなたにあげる。とても美味しいものよ。前から食べたいと思ってて、今回やっと買えたのよ。

そういって、彼女は私にお菓子を手渡した。

私は読みかけの本を閉じて、手渡されたお菓子をじっと眺めながら、思い切って口の中に入れた。

それは意外とほんのり香ばしく、いい味をしていた。

「美味しいです、これ」

彼女は微笑みながら言った。

「そう?もっと食べなさい。遠慮はいらないから」

風は強く吹き抜けている。

栴檀の木が大きく揺れる。

まだ熟していない枇杷が私の頭上でしなやかに揺れている。

小鳥は小さく囀っている。

足元でモンシロチョウが跳ねまわるように飛んでいる。

つかの間の白昼夢に溶けながら、私は彼女に見えない場所で涙をこぼした。

私も彼女のように見返り無しで何かを与えられたら。

「また来るわね。あなたに会いに」

私は彼女の姿が遠く見えなくなるまで、そっと見送った。


君に伝えたい話がある、今からそれを話そう。


「僕は永遠に治らない病気に罹ってるんだ」

あれ、言っていなかったっけ?

「それが再発したんだ、治療に専念しなきゃ。もう脳みその中で増殖してるんだそれは、」

それが何を意味しているのかは、なんとなく分かった。

「だから、僕はもうここには帰ってこないんだ」

「さよなら」


今朝、彼は笑顔で口を開いた。

私は何も言えなかった。

だって、

彼は昨日まで私と普通に話をしていて、

普通に一緒にいて、

そんなときに、口を開く機会などどこにあるというのだ?



気付いたら、私は泣いていた。

その涙を止める術などなかった。

ただただ、ひたすら泣いていた。

あたりが真っ白になるまで、とめどなく泣いていた。

誰のための涙?

誰のための言葉?

誰のための…。


そこまで考えて、私は気を失った。

それ以降の話を覚えていないのだ。

私は無理して笑って、無表情なふりをした。

希薄なふりなら、どんなに楽なんだろうか。

彼は笑顔で手を振っていた。

そんな時まで、笑顔でいるなよと、ひっそり思った。

泣いてくれよ。

そんな時まで嘘をつくなよ。

こっちまで泣けてくるじゃないか。

リンゴのパイを送った。

私が大好きなものだ。

それ以降彼はこない。

今まであったものがふっつりと途切れてゆく。

こんなこと、映画の中だけだと思っていたのだ。



なあ、嘘だと言ってくれ。

いつものように笑顔で嘘だよと、言ってくれ。

世界で一番の嘘つきの君が見たい。

ただ、それだけなんだ。

僕は新たな幻惑の音楽に戸惑う。

何なんだ。いったいこれは何だ。

一瞬目を疑った。

とんでもない音楽を聴いてしまった。

さわりを聴いただけでそう私は確信した。

このアーティストは後々語られることになる。

そんな雰囲気が醸し出されている。


彼らの名はmol-74(モルカルマイナスナナジュウヨン)。まだ新しいバンドだ。

私は彼らの名前を新聞で見た。

鶏のから揚げを口いっぱいに頬張りながら、目だけはその奇妙な名前にくぎ付けになった。

この陽だまりの中のまどろみのような幻想を操る彼らがこれからどう進化していくか。

ああ、想像しただけでわくわくする。

私は楽しみでならない。また新たな楽しみを授けてくれてありがとう。

独り占めするなら今のうちだ。今ならまだ間に合う。

個人的なおすすめは「グレイッシュ」、必聴です。



colors

colors

無題

「あなたは純粋すぎるのよ。子供のように無垢な心をもっているのよ」

「周りの人はみんな馬鹿にすることしか考えていないって?そうねえ、そういった人は見下すことが好きなのよ。

人を馬鹿にして、自分が優位に立ちたいだけなのよ。

なぜなら自分が満たされていないから、自分が好きなことを何一つしていないからそうなるのよ。

恩着せがましい偽善者が多いわ。

そのくせ自分はいいことをしているって思ってるから、なおさら厄介ね。

自分のやってることを知らないということは、後々にトラブルを招くわ。

可哀そうな人だから、そんなひとにあなたは同調なんてしないで、何か別の場所に逃げなさい。

どこでもいいから、ここじゃない別のところをあなた自身の手で新しく作りなさい。

絶対に同調なんてしちゃだめよ。あなたも同じような人間だと評価されるわ。」

「あなたの人生はあなたのテーマ。誰にも決めさせてはいけない。

もし誰かの考えが欲しいなら、ヒントや前例としてとらえることね。参考にしても同じ道を歩んじゃ駄目よ。

どこかで苦しむから。」

「あなたの人生はあなたの好きなことで満たしなさいよ。あなたは考えすぎるのよ。もっと気楽に生きなさい。」

「あなたを見ている人は必ずこの世界にいるのだから、安心して生きなさい。私は待っているから。」

心に咲く大輪の花と力強く希望を歌う音楽と。


ジュブナイルが好きだ。

懸命に生きる少年少女たちを称える歌。

誰にも伝えられない不満や悲しみを抱えた彼らを、秋田ひろむは何度も励まし、その栄誉を称賛する。

どんなに存在を認められなくても、絶望に打ちひしがれそうになっても、

それでも君はここに居なければならないと、何度も何度も肯定する。

心に一輪の花が咲いたような気分になる。

その力強い肯定に何度励まされたことだろう。


先が見えない、こんな今だからこそ、何気ない今を大切にしていたい。

絶えず自分のそばに花を飾っていたい。

曲や本の中に存在する花でもいいし、道端に咲く花でもいい。

伝えたい思いや心があれば、それは大金をはたいて手に入れた花と同じかそれ以上の価値を持つのだから。


私は信じていたい。

ありきたりの人生が幸せなのだということを。

飾り気のない世界が幸せなのだということを。


彼が作った歌で一番好きな曲、無題で彼女が送った桜色の便箋にただ一言書かれていた、

「信じてたこと、正しかった」

の一言。

私には夢がある。

この言葉を最後に言えるようになるという夢が。

そういう人生を送りたいという夢が。


もう一度言う。私は信じていたい。

人が信じていることを根こそぎ奪うような真似はしたくない。

誰もかれもが言えるような世界でなければならないのだ。

信じていたことを絶望に封じ込めてはならないのだ。